田中 貴継さんの白山寮 (男子寮) での1日

プロフィール

田中 貴継さん (20歳) 日本大学 2年生

こんにちは。
熊本の九州学院高校から、昨春日大に入学して白山寮に入寮しました。昨年9月、寮の委員会に班長として加わり、今年4月からは経理を担当しています。新型コロナウイルスの感染が拡大し、4月以降、対面式や新人歓迎会、夏のキャンプなどの諸行事が全て中止になりました。大学では味わうことのできない寮の行事はとっても楽しかったので、今年の新入寮生は気の毒としか言いようがありません。

2年目の、7月のある日の1日をご紹介します。

(寄稿:2020年)

田中 貴継さん
田中 貴継さん

6:50

今日は、委員の役割である朝清掃の「見回り」当番。朝清掃を1人で済ませたF君が部屋に来て「掃除が終わりました」と言ってきた。一緒に5階に行き、各階のトイレやごみステーションを見て回る。2階のふろ場や洗濯室もチェック。トイレットペーパーや、食堂のペーパータオルをきちんと補充しているかも確認する。今日は燃えるごみの収集日。前庭わきのゴミ置き場に出し忘れていないか見届けて、OKのサインを出す。清掃が行き届いていないと、やり直しを命じることもある。

7:00すぎ

さあ朝ご飯だ。1階の食堂に行く。厨房のカウンターに名札を出し、管理人兼調理人の小宮さんに「朝ご飯をいただきます」と、あいさつする。小宮さんがおかずを盛ってくれたワンプレートを、ビニール越しに手渡してくれる。

サケの焼き魚に玉子焼き、ポテトサラダ、野菜サラダにご飯とみそ汁。おかずもお代わりができる。3月まではバイキング方式だったが、コロナ禍以後はこの方式だ。小宮さん夫婦には手数をお掛けするが、定着した。おなか一杯になる。

9:00~12:00

寮室に戻ってオンライン授業を受ける。同盟学寮の入寮面接の際に、将来の目標を聞かれ「いずれ故郷の熊本か東京で起業したい」と答えた。大学の学部は経済学部経営学科を選んだ。1限目は国際経営論。1コマ90分だ。じっとして受講する。15分休憩後、2限はマーケッティング論。

12:00すぎ

昼休みは1時間。歩いて4-5分ほどのコンビニへ昼ご飯を買いに行く。おにぎり2個と、冷やしうどんを購入し、寮の食堂で食べる。2年先輩のT大生Kさんと1年先輩のIさんが、昼食をとりながら話をしている。先日、オンラインでライブ中継をしていたアイドルグループ「日向坂46」を、Iさんの部屋で観賞し2人で盛り上がったらしい。Kさんは、キャプテンで1番の美人の佐々木久美さんが一押し。Iさんは、東村芽依さんにぞっこん。何を隠そう、実は僕もこのグループの金村美玖ちゃんの大ファンだ。オンラインライブの鑑賞券代3,500円を支払い、こっそり1人で集中して見ていた。こういう気晴らしがなければ、やっていられない。

13:00

3限は「国際経営論」。今日の3科目共に、課題が与えられた。今週末までにレポート提出をすればいいので、後回しにする。

【オンライン授業について】

いいところは、通学しなくていいこと。朝の1限に間に合うように向かうと、都営三田線は満員電車で、1回では乗り切れない場合もあるほど。都心の満員電車の込み具合は半端ではなく、考えるだけで憂鬱になる。通学がなければ、新型コロナウイルスの感染を心配しなくてもいい。

デメリットは、科目ごとに与えられる課題が多いこと。提出期限の週末は、いつも大変な負担だ。友達とメールのやりとりで、分からない点は聞くようにしている。グループワークもあるが、その場限りで親交がないのはつらい。

9月からゼミを対面で行うという話が、一時あった。ゼミには女子学生もいるので、何か出会いが生まれるのではと淡い期待を抱いていた。ところが最近、コロナ禍が収まらないので、ゼミもオンラインで行うと連絡があった。とても残念だ。

14:40

今日は4限目の授業がないので、委員会の経理の仕事をすることに。育成会から預かった通帳から、毎月必要額を引き出し、ゲストルームのシーツなどのクリーニング代や月1回寮で行う全員清掃時のお弁当代などを支払っている。育成会から通帳コピーが届き、収入と支出を書き出して7月決算書を作成する。引き下ろして支出した残金を添えて、寮長室に持参する。寮長が、決算書と残金を確認し「これでOKです。ご苦労さま。来月もよろしく」と言ってくれて、ホッとする。冷蔵庫から、買い置きのアイスを1本いただき、おいしく頂戴した。

16:30

身支度をして、アルバイト先の渋谷の寿司店に向かう。同盟学寮が渋谷にあったころから、寮生がアルバイトを連綿と続けてきた。今春までは、年間、8人ほどの寮生がシフトを組んで交代で務めていた。コロナ禍により、6月に店を再開してからは、予約が立て込んだ日だけアルバイトが入る。今は4人の寮生が勤めている。

5時半までに店に入り、親方と調理補佐のCさんにあいさつする。Cさんは昨年春、同盟学寮白山寮の寮生だったが、卒寮と同時に親方に誘われて、この店の見習い職人になった。学寮生から初の寿司職人を目指している。この日は、予約客が2人、2人、3人、2人と相次いで訪れてきた。

おしぼりやお箸、お茶を配り、お酒や飲み物の注文を受けて、運ぶ。結構忙しく疲れた。11時半ごろに最後のお客が引き揚げて、店を閉じる。後片付けをして、店の中をアルコール消毒する。その後、楽しみな賄い食が出される。

焼き魚に新鮮な魚介類のお刺身、マグロやサーモン、イカなどの握り、Cさんがあぶった白身魚などが次々に出される。サラダやみそ汁もありお腹一杯になった。12時20分、渋谷駅発の山手線最終電車に飛び乗り、巣鴨駅へ。歩いて寮に帰り着くのは1時ごろだ。

お風呂に入り、1日の疲れを癒やす。同じ委員で文化担当のI君と、広い浴槽に浸かる。今日の賄いはどうだったか聞かれ、おいしかったが食べすぎたと答えると、うらやましがられる。コロナ禍で、アルバイト先に多かった居酒屋やカラオケ店、喫茶店などがアルバイト切りになり、バイト先を見つけるのに苦労している寮生が多い。その点で、僕はラッキーなのかもしれない。

2:00

明日もオンライン授業が1限からある。寝坊しないように、目覚ましをセットして就寝した。