24 年度第1 回研修会を開催、70 人が参加


公益財団法人同盟育成会は 9 月 10 日、2024 年度の第 1 回奨学生研修会をオンライン形式で開催しました。奨学生や、財団の理事や奨学生選考委員など約 70 人が視聴しました。

 

研修会では、福山正喜理事長のあいさつに続いて、橋場義之元上智大学教授が「憲法と皇室取材の現場」と題して講演しました。この中で、憲法に書かれた天皇に関する条文は 8 条に過ぎず、皇室関連は他の法律で規定されていることを紹介。皇室を担当する宮内記者会に

席を置いた経験に触れ、特に昭和天皇の時代には取材が難しかったことを、事例を挙げて説明しました。

 

続いて、元日本経済新聞社記者でジャーナリストの井上亮氏が「私たちに象徴天皇は必要か」の演題で講演しました。井上氏は日本国憲法制定当時「象徴天皇は何もすべきでない」といった考え方が憲法専門家で主流だったことを指摘。これに対して平成天皇は皇太子時代に教育係を務めた小泉信三氏や、美智子皇后の影響を受けて、「平成流」の皇室像を作り上げたと解説しました。具体的には①障害者やハンセン病患者など社会的弱者に寄り添い、その存在に光を当てた、②自然災害被災地を見舞い、困難な状況にある人々を励ます、③沖

縄に特別な思いを寄せる、などに取り組み、国民の目をそちらに向けさせたとしています。

 

講演終了後、奨学生からは「政治と皇室の思惑のズレを感じたケースはあるか」「現在の天皇陛下は平成天皇の流儀を引き継いでいるか」など過去に例をみないほど、たくさんの質問が寄せられました。