同盟育成会・同盟学寮  創立79周年記念会を開催  ≪170人が出席し、盛大に祝う≫

 同盟育成会・同盟学寮の創立79周年記念会が10月20日(日)、同盟学寮白山寮の1階ホールで開かれた。記念会には、同盟育成会や新聞通信調査会の関係者や同盟学寮OB、市谷寮と白山寮の寮生ら計170人が出席した。

 フリーライターで批評家の永江朗さんによる記念講演から、創立記念会が始まった。演題は「本さえ読んでりゃ、なんとかなるさ」。永江氏は「大学生は本を読んでいないのか」と問いかけ、読書率は、ほとんど横ばいで、書籍の販売は50年間、変わっていない-と説いた。

 20代の読書がその後の人生を左右する。本は役に立つ。同じテーマの本を大量に読むと、何かが見えてくる。本との付き合い方は①映画やビデオなどを観てから読む②必ずしも完読しない③書き写してみる④いつも持ち歩いて、本に慣れる⑤時間を作る=私は朝昼晩の食事後、30分歯磨きをしながら読書している-と結んだ。

 講演後、同盟育成会・同盟学寮の創立79周年記念式が行われた。育成会の佐藤陽信常務理事が、開式の辞を述べた後、山内豊彦理事長があいさつに立った。

 理事長は「今日は79周年で、数えでいうと80周年。人間でいうと傘寿であり、誠におめでたい。育成会は学寮運営と奨学金給付を2つの柱としている。5年前から2寮体制となり、皆さんの努力と委員会の活動によって、寮の中身も充実・安定してきている」

 「来年は80周年。記念会を神保町の如水会館で少し盛大に行う。併せて80年史を発刊するなど記念事業を予定している。私ごとになるが、理事長として記念会に臨むのは今年を1つの区切りとしたい。来年はOBとして参加したい。この後の懇親会を大いに楽しんでください」とあいさつされた。

 白山寮の石原郁弥委員長は「79年の歴史の1ページを皆さんとともに刻むことができてうれしい。私は本があまり好きでなく、これまで読んでこなかった。永江さんのお話で20代に読めば何とかなると教わり、少しずつ読んでいこうと思う」

 「男子寮の委員長として、寮内で起きるさまざまな問題や行事などの運営に携わっている。今年はそれほど大きな問題はなく、行事の在り方や制度について、少しずつ改善している。1寮生として、この寮が好きで、さまざまな行事に参加し、奨学金はもらっていないが奨学生の行事にも参加させていただき、とてもいい刺激をもらっている。これからもこの寮がよくなっていくように活動していくので、ご支援、ご協力をお願いします」とあいさつした。

 次に市谷寮の酒井福委員長が「私は79年のうち、まだ3年ほどしか在籍していないが、その中でもいろいろ変化を感じている。変化は寮の行事への出席率にも表れている。8月の夏キャンは市谷寮生の3分の1が欠席した。3分の2は参加し、それはそれで楽しかったが、もっと出席者が増えてほしい」

 「集団生活をしている寮は、決まりやルールを守ることを学ぶ場所。他人への配慮とか、人として忘れかけていることや、1人暮らしでは学べないことを学べるように、これからも努力していきたい」とあいさつした。

 白山寮の黄田秀夫学寮長は「白山寮は4月に9人の新寮生を迎え、現在、51人が共に生活している。8月の夏のキャンプは千葉県の岩井海岸で行い、80人が参加した。9月の町会の秋祭りには、8人の寮生が大人みこしを担ぎ、地元の皆さんと交流した」

 「白山寮は狭い路地を挟んで、近隣の住宅と間近に接している。寮ができて半年後から、騒音に対する苦情が毎年のように寄せられた。今年は1件のクレームもなく、5年近くたって、ようやく近隣の人たちも慣れてきたのかな思う。今後も、近隣から親しまれる寮を目指したい。寮生たちが優れた社会人として巣立っていくように、学寮長として微力ながら力を尽くします」と、述べた。

 市谷寮の齋藤美保子学寮長は「同盟学寮79年の歴史のうち、市谷寮はほんの一端だが、それでも渋谷寮から市谷に移って15年たった。この先、いくら安くても相部屋は無理と本格的に敬遠される時代が来るのかなと頭によぎることもある」

 「しかし学寮には、いろいろな個性との出会いという魅力がある。全国からやって来る、学校も違う人たちとの共同生活に、多少の苦労があっても価値を見いだす人は、この先も消えることはないだろう。彼らを寮生に迎え、80周年、100周年と歴史を積み重ねていくことができたらと願っている」と、あいさつした。

 

 その後、正午すぎからの懇親会は、新聞通信調査会の西澤豊理事長による発声で、一同乾杯して始まった。1階フロアは多くの出席者であふれ、寮生らを囲んで歓談の輪があちこちで広がった。