奨学生研修会、日比谷松本楼で開催 =奨学金増額の「朗報」にどよめき=

 同盟育成会の2017年度第2回古野奨学生研修会が3月7日、東京・日比谷公園内の日比谷松本楼で開かれ、給与奨学生の大学院生、学部生計28人が参加した。

 大学院生からは研究テーマに関するリポート、学部生から課題図書(『ヴィクトリア朝時代のインターネット』トム・スタンデージ著)についての読書感想文が事前に提出され、コーディネーターの橋場義之元上智大教授が講評を行うとともに、学生と質疑応答を行った。

 橋場氏は、論文作成上のポイントとして、「大事なのは言葉だ。できるだけはっきりさせないといけない」と指摘、「タイトルの付け方次第で、問題意識(のレベル)が分かる」とも述べ、自分が用いる言葉の概念を明確にする必要性などをアドバイスした。


 研修会に引き続き開かれた懇親会では、同盟育成会の山内豊彦理事長が、大学院を修了、学部を卒業する奨学生に記念の万年筆を一人ひとり手渡した。

 修了者を代表して富山大学大学院修士課程の松田靖子さん(時事通信社に入社予定)が挨拶。「記者になるのが子どものころからの夢」だったという松田さんは、大学4年時と昨年もマスコミに挑戦したものの不発に終わり、「今年もダメかな」と思ったこともあったが、「それでも諦めずに続けられたのは、育成会を通じて得てきた自信があったから」と、謝意を表明した。松田さんは今回、複数のメディアに合格している。

 卒業生代表の関西学院大の塘田捷人さん(NHKに記者職で入局予定)は、奨学金へのお礼を述べる一方、気分は早くもNHK職員になったつもりか、会場を埋めた奨学生や関係者約50人を前に「視聴料の支払い、よろしくお願いします」とぶって、会場を沸かせた。

 また、山内理事長は席上、4月から大学院生、学部学生への奨学金をそれぞれ月額1万円増額して6万円、4万円にすると発表。思わぬ朗報に、“残留組„の奨学生から「ウォー」とどよめきが起き、中には、互いに顔を見合わせほほ笑む女子学生の姿も見られた。