2018年 同盟学寮「成人式」白山寮で開く  同盟育成会理事長らが祝辞

 新春恒例の行事、同盟学寮の成人を迎えた寮生を祝う会が1月14日(日)、白山寮で開かれた。市谷寮から女子寮生47人が合流し、白山寮生42人と合わせ89人が出席した。午前11時前、同盟育成会の佐藤陽信常務理事・事務局長が開式を告げた後、成人を迎えた寮生26人(白山寮19人、市谷寮7人)の氏名を、1人ずつ読み上げた。名前を呼ばれた寮生は次々に起立した(留学中などの理由で市谷寮の7人が欠席)。 

 

 まず山内豊彦理事長が「成人を迎えた寮生の皆さん、おめでとう」と、次のように祝辞を述べた。

「同盟学寮の成人式はにぎやかなものではないが、私たちは意義のある行事だと思っている。各地で育ち学んだ人たちが、さまざまな大学に入り、学問し、同じ屋根の下で、同じかまどの飯を食べて暮らしている。自立し助け合うという学寮本来のモットーのもとで暮らす仲間たちに、成人を祝ってもらう。意味のあるものだし、将来社会に出ても、よき思い出になるに違いないと思っている」

「これからの日本の将来を考えると、決して明るい未来とは言えない。少子高齢化に突入していく。四半世紀後の2046年には、日本の人口は1億人を割り、老人の占める割合は全体の3分の1を超える。最近の報道によれば、20年後には単身世帯が全体の4割を占める。そういう社会に入っていく」

「大変なことだが、私はそう大変だとは思わない。私は昭和15年生まれで、まもなく太平洋戦争に突入し、敗戦を迎える。戦後の親たちの苦労、国民の努力をまざまざと思いだす。やがて日本は立派に立ち直り、見事に復興して今日の日本がある。日本人はすべてを乗り越えてきたし、これからも乗り越えていくと確信している」

「社会に出てからも、学寮で過ごした人たちは、自立共生の力を身に付けて行っている。世の中が厳しくなればなるほど、そのモットーが生きてくる。これからも社会で生き抜いていくことを期待し、祝辞とする」と結んだ。

 

  白山寮の黄田秀夫学寮長は「皆さんの多くが生まれた1997年は、山一証券が自主廃業し、三洋証券や北海道拓殖銀行が相次いで破たんした。その年を代表する漢字には「倒」が選ばれた。その2年前に『ウインドウズ95』が発売され、国民の10人に1人がインターネットを利用し始めたころでもある。携帯電話が急速に普及し、スマートホンに発展し、ネットやデジタル機器に囲まれて育ってきた。情報への感度が極めて高い世代と言えると思う」

「詩人の谷川俊太郎さんの詩に『わかんなくても/じかんがあるさ/いそがばまわれ/またあした』というのがある。人生の残り時間の長さは、皆さん若者の特権だ。疑問や不満に対し、ぱっと検索して得られる答えの価値は知れている。立ち止まり、じっくり考え、道を探す。20歳を機に、そのような習慣をぜひ身に付けてほしい。そのためには新聞を読んで」と祝辞を述べた。

 

 次に、市谷寮の齋藤美保子学寮長は「皆さんが大人になっていくのに当たり、まず目指すことは経済的自立だと思う。どんな仕事を、どこでしたいのか。そのためには何をしたらよいのか。成人式はそのことを真面目に考える、よい節目。まだ20歳の皆さんは大抵のことは目標に出来るし、かなうように準備する時間は十分残されているはずだ。大人の入り口に立って思いを新たにしている皆さんが、それぞれの夢に向かって頑張っていくことを期待している」と祝辞を述べた。

 

 

 

 

 この後、出席した新成人の寮生26人に、山内理事長から記念品の万年筆が1人ずつ贈られた。続いて、成人を迎えた寮生を代表し、白山寮の臼井佑作君が「私たちのために、このような式を開いていただき、ありがとうございます。年末に帰省して親から『成人おめでとう』と祝福された。うれしかった半面、心苦しかった。親が思っている以上の活躍を、東京でできていないと感じたからだ」

「なんでこうなったのか考え、初心を忘れた、東京に来たときに親に感謝した気持ちを忘れたことに気付いた。20歳になったのを機に、初心を忘れないこと、周りの人に感謝する気持ちを忘れないことを心に誓いたい」と謝辞を述べた。

市谷寮を代表して、荒竹奈緒さんは「私たちの門出を祝ってくださり、心よりお礼申し上げる。先週の成人式は地元に帰り、振り袖姿で親せきにあいさつして回った。祖母が涙を流して喜んでくれた。成人式は、自分が成人の自覚を持つ節目の日だけでなく、これまでお世話になった方々へのお礼として、立派な姿を見せる場なのだなと感じた」

「同級生らと話し、自分がいかに恵まれているかを実感した。両親や育成会の方々、寮長、辻さん夫妻、先輩、後輩、同期と、この寮での出会いにあらためて感謝したい。社会の一員としてベストを尽くしていくが、未熟なので今後もご指導ください」と謝辞を述べた。

 

 成人式の式次第を滞りなく終えた後、佐藤常務理事が市谷寮で長く管理人兼調理人を務めた辻健一さん、令子さん夫妻が1月24日をもって退くことになったことを紹介。山内理事長が、次のように感謝の言葉を述べられた。

「辻さん夫妻には市谷寮がスタートした2004年から、一貫して調理・管理をしていただいた。渋谷寮から市谷に移り、女子を迎え入れて男女共寮がスタートした。困難な問題を抱えていたが、13年余り、大変熱心に、誠実に務めてこられた。2寮体制の運営が安定、順調に進めてこられたのも、辻さんご夫妻のお力の賜物であり、心から感謝申し上げたい」

「退職の申し出を受けた時、私たちは大変びっくりし、強く慰留しました。辻さんは、体の一部の自由が利かなくなり満足いく仕事ができにくくなった。将来、調理に支障を来したら寮生たちに迷惑を掛けてしまう。そうなる前に身を引きたいと話され、責任感の強さ、職人気質に参りました。了承せざるを得ませんでした。1月24日が最後の日になり、年度中は代行がつないでいきます。寮生にはしばらく迷惑を掛けるが、新年度には別の管理会社となり、新しい管理人兼調理人が就きます。了解し、協力してもらいたい」

辻さんご夫妻に、理事長から「感謝状」と金一封が贈られた。辻さんは「この度、退職することとなり大変なご迷惑をお掛けすると思うが、お許し願いたい。まだまだやるつもりでいたが、年齢のせいで思うようにいかないと痛感した。13年間、いろいろお気遣いいただき、楽しく仕事をやらせていただき本当にありがとうございます。寂しい気持ちもありますが、たくさんの思い出を作ることができました。皆さんのこれからの健康をお祈りします」とあいさつされた。

終了後、赤飯のお祝い膳を全員でいただいた。その後、成人を迎えた寮生の集合写真や、辻さん夫妻を囲んでの記念写真などを撮影する場面が続いた。