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28年度卒寮生の追い出しコンパ  先輩寮生を、しみじみと送る

 同盟学寮の28年度卒寮生を送り出す「追い出しコンパ」が2月26日(日)午後、白山寮で行われた。白山寮生38人、市谷寮生18人と寮長2人が参加し、寮生OBも2人が駆けつけた。

 5時、食堂フロアに在寮生が待ち受ける中、卒寮生が入場してきた。初めに、パソコンで作成した卒寮生各人のプロフィール動画をテレビ画面に紹介し、思い出の写真を次々に映し出す。クリパや夏キャン、創立記念会のパーティー時などのスナップの数々。参加者全員が食い入るように画面を見つめ、歓声やどよめきが起きた。

 文化・上野君らが中心になって、まとめた。オリンピックの選手紹介のような凝ったつくりで、エンディングには「協力 共同通信社」のテロップも出され、力作に拍手が送られた。

 

 

 卒寮生1人1人に、司会の室園委員長から記念品(写真立て)が贈呈された。この後、在寮生が「贈る言葉」を述べたり、手紙を読んだりした。白山寮生同士は淡々と進むが、例年、市谷寮生は手紙を読む前から既に涙声だったり、途中から双方が言葉にならなかったり、感極まるシーンが続出する。今年も同様だった。

 6時半からは、7つのテーブルに分かれて、食事会。管理人兼調理人の小宮さんが趣向を凝らした食べ物が並んだ。お寿司のほか、唐揚げやフランクフルトソーセージ、焼き鳥、野菜とハムのサラダ、チャーハンに焼き肉盛り合わせ…。卒寮生を囲んで和気あいあいと、楽しい宴は8時半ごろまで続いた。

 

寮生から、追いコンに寄せて

  日本語研究の金田一春彦氏によると、春に植物が芽を出す日本語表現は、進み具合で何種類もあるそうだ。その表現の多さは世界でも日本くらいだろうという。芽が大きくなることを「芽だつ」。樹木を離れて土から出る芽には「芽生える」という表現も。

 2月26日(日)に、白山寮で追いコンが行われた。卒寮する方とはこれが最後の寮行事。私としては寂しい気持ちが心の大部分を支配していたが、卒寮される人々から「追いコン頼んだよ」と言われ、プレッシャーも感じた。寮生の皆さんは、どのような気持ちで追いコンに参加したのだろうか。

 私がプレッシャーを感じていた理由は、ほかにもある。実は追いコン冒頭で、テレビ画面に流した動画は私が製作した。動画を製作するのは初めてなので、会の冒頭をすべらせてしまっては申し訳ないと思ったが、反応は悪くないみたいで安心した。あの動画には私なりの裏テーマであったり、小ネタであったりを入れているつもりなので、興味があれば是非聞きにきて欲しい。

 プレッシャーから開放された後は、卒寮生へ贈る在寮生からのメッセージ。そして卒寮生から私達に託すメッセージだ。それぞれ思いのたけを話してもらったが、何人かの卒寮生が、現在の私達の為に苦言を呈してくれたことに非常に感謝している。上から目線の文言になるが、あの言葉1つ1つに何かを感じなければいけない。

 いつもなら盛り上がる食事の時間も、追いコンではどこかお別れを惜しむような時間が過ぎた。普段はよくお酒を飲み、寮の行事でよく酔っぱらっている寮生も「寂しくて酒がすすまない」と漏らしていたのが印象的だ。会の途中からはOB2名が参加され、2次会にはOGも1名参加された。同盟学寮のつながりの深さが感じられた。会が進むにつれて徐々に盛り上がりを見せたが、最後まで寂しさは隠せないままだった。

3月某日、東京では桜が開花した。桜とともに社会を彩り、新たな場所でそれぞれの形で芽生え、芽だって欲しいなと思う。

そして、たまには同盟学寮にOB・OGとして、遊びに来てもらいたい。

                         (同盟学寮白山寮生・上野友寛)